無料オンライン小説 COLOR 悪の誘い



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ガタガタ言っても、タイゾウには世話になっているからな。

おまけに、彼のオヤジさんにも、言葉では言い尽くせない程、面倒を見て貰っている。

地図に書かれているビルの前まで辿り着くと、中に入り、エレベーターに乗り込むと3階に向かった。

3階のフロアーに上がり、アジトの部屋の前まで来ると、入り口に塗装の剥げ掛けた小さなドアがある。

これなら、強く引っ張ったら開くんじゃないの?そう思い、ドアノブを思いっきり押し引きしてみた。

だが、当然のように鍵がかかっていて開かない。

鍵穴から室内を覗く。

部屋の電気は消えており、人の気配はない。そこで、ドアを思いっきり数回蹴ったが、ビクともしない。

しょうがないので、エレベーターホールの近くにあった、観葉植物を鉢ごと持って来て、ドアに投げつけた。

それを、数回やるとドアが少しグラつき出したので、思いっきり蹴った。次の瞬間、鍵が壊れ、きしみながらドアが開いた。

暗い部屋の中を、様子を窺いながら、ゆっくりと室内に入る。

入り口付近から、ダンボールが積み上げられており、通路は1人しか歩けないような狭さだ。暗い部屋の中を手探りでダンボールに沿い、道なりに歩き奥のドアを開けた。

ドアが開いた瞬間、突然暗闇の向こうから、思いっきり誰かに顔面を殴られた。

殴られた衝撃で床に倒れこむと、相手は僕の上に覆いかぶさり、思いっきり首を絞めた。

勘弁してくれ…。

マジで死にそうだ。

もがきながら、両足を相手の体に絡ませ、ゆっくりと体勢を返すと、今度は僕が相手の上に覆いかぶさり、思いっきり顔面をこずいた。

しばらく、殴り続けると相手が抵抗しなくなったので止めた。

そして、相手の動く気配がないのを確認すると、ゆっくりと立ち上がった。

もみ合っている最中に非常灯の僅かな明かりで部屋の中に飾られた青龍刀らしき物が目に入ったので、それを手に取ると、弱々しく立ち上がって来た、相手を叩きのめした。

顔は見えない。

多分男だろう。


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