それに引き換え、貧乏人は一発アウトって感じだ。
でも、真面目にコツコツやった奴が、最後には勝つと思うけど…。
暗闇に包まれていく部屋の中で、天井を見上げたまま考え続けた。
今日、島村という女性が持ってきた話には、どんなカラクリが隠されているのだろう?
どうせ、京介か他の奴らが仕組んだ罠だろう。
そんな事ばかり考えていると、タイゾウの事が心配になってきた。
電話を手に取り、タイゾウの携帯に何度も電話するがでない。
しょうがないので、自宅に電話すると、オバサンがでた。
どうやら、僕が会社を出た後、1人でどこかに出かけたらしい。
これ以上話すと長話になりそうなので、手際のいいところで電話を切った。
部屋の明かりを点け、壁の時計をみると9時15分を回っている。
電気を消し、急いで車に乗り込むと、美森駅を挟んで向かいの繁華街へ向かった。
繁華街付近まで辿り着くと、コインパーキングに車を停め、携帯の地図検索でクラブDZの場所を確認し、車から降りた。
そして、クラブDZに向かい歩き始める。
携帯の地図検索は、画面が小さいせいか、中々分かりづらい。
携帯の画面に表示されている目的地の前まで来ると、地下に降りていく階段がある。
その、階段を降りて行くと目の前にクラブDZの入り口らしきドアがある。中からは、爆音が鳴り響いている。ゆっくりとドアを開け、目の前のカウンターでチケットとドリンクの代金を支払うと店の中央の方に向かって歩いた。
フロワーでは、ミニマムトランスが鳴り響き。客達は、それぞれリズムを取り踊っている。
僕が呆然と立ち尽くしていると、店のスタッフらしき女性が目の前までやって来て、耳元で大きな声で叫んだ。
どうやら、奥の部屋に行けと言っているようだ。
彼女に着いて店の奥に行くと、さっそく個室に通された。 |
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