無料オンライン小説 COLOR 悪の誘い



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21世紀の小学生は、砂場の使い方が分からないのか?

砂場は、トンネルを掘ったり、山やお城を作ったりする場所だぞ。

本当に奇妙な光景だ。

そう言えば、この公園に来てから、何か変な視線を感じる。

ナンとも言えない、嫌な感じだ。

また、周辺をグルリと見渡した後、視線を右にやると青テントの隙間から誰かが覗いている。

何奴……。

テントの主は何度か、こちらを窺がった後、テントからゆっくりと這い出すと、こちらに向かって歩いてきた。

そして、僕の目の前まで来ると立ち止まり、突然僕の隣に座った。

テントの主は、見たところ40歳前後の中肉中背の男性で、身なりもしっかりしており、とてもホームレスの様には見えない。

彼にかまう事なく、黙ってジュースを飲んでいると、突然、彼が話掛けてきた。

「しかし、あれだな。この公園に大人が入ってくるのは3年ぶりだよ」

「え、ア?そうなんですか…」

少し気味が悪くなったので、場を離れようと立ち上がろうとした時、彼がまた話を始めた。

「オイ、オイ。帰るなよ。俺は何もしないからさ」

彼がそう言うので、しょうがなく、またベンチに腰を落とした。

「ア〜〜。あれだな…。君は、俺があそこで何をやっているか知りたいんだろ?」

「いや、僕は他人のプライベートな事に一切踏み込まない主義でして…」


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