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「分かったよ。ど〜も、すみマメ〜ン」

「フッ。まったく、あなたって人は……。まあいいや。ところで京介さんの件ですけど、僕も何かおかしいような気がするんです」

「具体的にどう思うの?」

「いや、具体的にって言われても困るんですけど。あの事件の後、京介さん、なんか感じ変わっちゃって…」

「へぇ〜。どういう風に」

「う〜ん、別に外見はそんなにないんですけど、いつも挨拶する時にジョークなんか言いますよね。あれ、言わなくなったんですよ。それに、笑顔も見せなくなってしまったし。僕の主観ですから、なんともいえないですけど、なんだか……」

「そうか、でもそれは、僕やヤスオが入院したんで、気分的に落ち込んだだけじゃないの?」

「そうでしょうか…。それなら、いいんですが。まるで別人のような気がします」

「それに、あいつも結婚して子供が出来たから、遅まきながら社会人としての自覚がわいてきたんだろう。それより、そろそろ仕事を始めようか」

「はい、そうですね。ちょっと、無駄話しちゃいましたね」

佐藤は、自分の席に着き、パソコンの電源を入れた。

ディスプレイが明るくなり、ハードディスクとファンが回転する音が響き、OSが機動しはじめる。

佐藤は、キーボードから手を離すと、右端に置いてある小さな写真縦をひっくり返し、彼女の写真を眺め出した。

う〜ん。OSが起ち上がる時間を有効に使いこなしていますね〜ん。

星三つ〜〜って、とこかな。

いや、佐藤は不安をまぎらわそうとしているんだろう。

僕も実は、佐藤の話を聞いて平静な顔をしていたものの、なんかいやな気分に襲われていた。

かなり、いや〜な、胸騒ぎだ。その正体は、はっきりしない。

僕らは、この日も夕方まで働くと帰路についた。

自宅に辿り着き、上着を脱ぎ、ベットの上に横になると、いつのまにか眠ってしまった。


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