無料オンライン小説 COLOR 屁のツッパリはいらんですよ



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だとしたらどうだ。つじつまが合うんじゃないか。

僕のブレーンの中で、日本屈指のハッカーと言えばヤスオと康市だ。

ヤスオはともかく、康市は富国電気やITコンサルティングの隅々まで知り尽くしている。

今振り返ると、犬井山に行く途中、村上さんの家の前で待っていた事が、どうも引っかかる。

車を慌てて路側帯に止めると胸ポケットから携帯電話を取り出した。そして、美森の康市の実家に電話をした。

2、3度呼び出し音が鳴ると、康市が出た。

「賢一だけど、お前風邪の方は大丈夫か?」

「ハヒィ〜。熱は38度まで下がったんですけど鼻水が止まらなくて……。すいません、体調が回復次第、東京に戻りますから」

「そうか……。じゃあ、お大事に」

「え、それだけですか?」

「ああ、それだけだ。ちょっと急いでるんで、もう電話切るぞ」

電話を切り、胸ポケットにしまい込むと、また車を走らせた。

どうやら、康市ではなさそうだ。電話の声を聞く限り、彼は意識がもうろうとした状態で僕の電話を受けたようだ。康市はシロか。

少し、ほっとしたのも束の間だった。渋滞につかまった。

「くそ〜。こんな時に限って……」

幸いにも10分ほどで、渋滞から抜けることができ、富国電気にたどりついた。

駐車場に車を止めて正面玄関をくぐり、地下のラボに向かった。

エレベータのドアが開くと、ラボの入り口のドアのところにヤスオが立っていた。

「ケンちゃん」

「おう。お前も来てたのか?」

「ああ…。ケンちゃん」


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