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僕らはラボを出ると、急いで緊急対策課に向かった。

みんなが所定の席に着いて、次々にパソコンのキーを叩き始める。にわかに緊急対策課のブースの空気が緊張で張り詰めていく。ディスプレイをにらんだ視界の端に映った顔が気になって、横を向くと、ヤスオが呆然と突っ立っていた。

冴島は、パーティションの向こうで何事もなかったように、仕事をしている。ヤスオだけが、あきらかにこのブースの中で浮いていた。

「あのさ、ヤスオ、お前も職場に戻ったら?」

「賢一さん、田畑さんも一緒に行ってもらったらどうです?ここにいる人間の中じゃあ、彼が一番スキルが高いと思うんで…」

佐藤が僕の話しを割った。

「そうだな、僕たちはすぐに横浜に向かうけど、ヤスオは時間取れるか?」

ヤスオは、ちょっと、とまどった様子を見せた。

「手持ちの仕事はないから大丈夫だけど……。とりあえず、庶務課の上司の許可がないと」

「そうか。じゃあ今から庶務課に行って許可をもらってくる。ヤスオもみんなも、ちょっと待っていてくれ」

僕は、そう言い残すと廊下に飛び出した。他の社員とぶつかりそうになるのを寸前で交わして、急いでエレベーターに乗り込む。

エレベータのドアが閉まると同時に気付いた。

「ヤバ…。庶務課ってどこにあるんだっけ?」

とりあえず1階まで降りて受付に行って聞こう。そう思い、1Fのボタンを押した。

1階に着くと、ロビーを走った。あちこちの椅子を陣取って接客している他の社員や、これから営業にでかける他の社員が不機嫌な顔を向ける。


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