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「大学の時の友人が防衛庁の幕僚本部にいるんで、災害派遣にかこつけて自衛隊を動かしてもらいました」

「す、すげえコネ持ってんのね」

「護身用に自動小銃を持たせてもらったんですけど、はまりそうです」

「今度は、ITコンサルティングで、シークレットサービス事業部でも作ったら?」

「早速検討します」

佐藤の受け答えを聞いていたら、なんか一気に脱力した。

「賢一よ、このジジイどうする?」

京介が尋ねた。

「ほっとこう。COLORのパーツだけど、その子の心臓の中にあるんだとさ。その子を犠牲にしてまで取り出すことはできない。話を大掛かりにしちゃって悪いけど、他の方法でCOLORを阻止する方法を考えてほしい。COLORのことがここまで公になった以上、その方が得策だと思う。とりあえず帰ろう」

僕が帰ろうとすると、藤田が京介と佐藤の手を振り払った

「待て。お主はやはり義明と同じ志を持つ男じゃな。気に入った。ついて来い」

藤田はそういうと部屋を出て行ってしまった。

「なんなんだ?最後にはめようって腹か?あのじいさん」

「さあ?これだけ兵隊がいるから大丈夫だろう」

僕らは、慌てて藤田の後を追いかけた。残された兵隊達は、乱闘を続けていたが、藤田の声を聞いて、静まり返った。そのうちの一部が僕たちを心配してか、後についてきた。

廊下を歩き、中庭を通り抜けると本宅に入った。豪華な調度品ばかりで目がくらみそうになった。

「この上じゃ。ついてこい」

本宅の二階の階段を上がり、奥の部屋までたどり着くと、藤田は立ち止まって部屋の入り口のドアノブにICカードを通した。

ドアを開け部屋に入ると、そこに巨大コンピュータシステムらしきものがあった。大型画面に映し出されている映像は、どこかの商業衛星がとらえた衛星画像だった。なるほど、こうやって世界中の情報を拾っては、経済や軍事のシステムを動かしているのか。まあいい。それよりもレッドパーツを確保しないと。


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