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「せっかくだから、これからどこかでまた飲みなおす? 僕、車は置いていくし」
「悪い。俺もう一件、クライアント先を回るよ」
「そうか、じゃあまた今度飲みなおそう。どのみち、仕事のプレゼンでまた時間とってもらうしな」
「そうしてもらうと助かるよ。今度は時間空けるからさ」
そう言って、ター坊と別れた。
しばらくして後ろを振り返ると、そこには、もう彼の姿はなかった。ネオンの明かりがなんとなく切なく見えた。
駐車場へそのまま向かおうと思ったが、酔いもまだ少し残っている。
それに今日のうちに仕事の話を社員に伝えておいたほうがいい。ネットから全員に連絡できるけど、チーフエンジニアはまだ居残って仕事を続けてるはずだ。大事なことは直接話そう。
そう思って、歩いて事務所に向かった。夜風が気持ちいい。
事務所に着くと、案の定、チーフエンジニアが数人居残って仕事を続けていた。
ター坊からもらった資料をコピーして渡した後、SNSで全社員に仕事の話を伝えた。
酔いが醒めるまで会社で過ごした後、駐車場に向かって歩いた。
街はすっかりネオン一色になっていた。
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