[携帯小説 COLOR]

→【オススメ】←
人気携帯サイト

アポイント


京介と康一がやりあうのを眺めながら、僕は机に座ってコーヒーカップを手にしていた。こいつらが激しくやりあう時は、まず仕事がうまくいく。

文字通り、大船に乗った気分だ。いつもの通り。順調順調。

そう自分に言い聞かせようとしたせいだろうか。

この仕事の小さな疑問を思い出した。

この仕事の依頼を受けたのは、2週間前の事だった。

その日は、連日の徹夜や顧客との打ち合わせで、ストレスが爆発しそうになっていた。仕事がつまるとよくあることだ。

気晴らしにドライブにでかけ、港沿いのオープンカフェで車を停めた。

鍵をボーイに預け、海よりのテーブルに座る。

いつものことだけど、ここから眺める海の青さは特別だと思う。

オフィスのある街で、体と心にしみこんだ、すす汚れた物を全て洗い流してくれる。

周囲の席で談笑している人たちも、おだやかな人ばかりだ。

オフィスのある街で見かける人たちが持っている、ぎすぎすした雰囲気は微塵もない。決して周囲の人を詮索する目で見たりしない。

もっとも、会員制になっているから、そもそもそんな気苦労は必要ないんだけど。

そのことも、僕がここに足を運ぶ理由になっている。


[][HOME][]

キャッシング比較サイト!
→【EZ-Finance】←


(C)COLOR