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「俺たちの雇った傭兵たちからのメッセージだ。ここいら辺りからセンサーやトラップがしかけられているらしい。一応、先発隊が通ったルートは除去してあるが、まだ残っているかもしれないので注意してくれだとよ。一番危険なのは、対人地雷だな。
あれは設置が簡単だし、探知機でもひっかからないタイプのものがある。おまけに近くを通っただけでも起爆するものもあるから、先発隊が通ったルートを通らないと危険だ。ここからは俺の後を就いて歩いてくれ。勝手にわき道に入ったりしたら、命取りになりかねないぞ」
なるほど。ここからが本番てわけだな。ゴリにもらったスコープを装着すると、周囲の風景に重なる形で、英語のメッセージが表示されていた。ゴリが手に持っている手紙の方に矢印が出ている。
ちょうどカメラのファインダーをのぞいているような感じだ。仕組みはよく分からないが、スコープに通信機能がついていて、先発隊と情報のやり取りができるようになっているようだ。
どうりで、ゴリがあんな高い木の上に縛り付けられた手紙を見つけられるわけだ。
「じっとしているのも危険だ。先を急ごう」
ゴリの後に僕らは続いた。さすがに緊張で足がすくむ。
当然、誰一人話をするものはいない。そういえば村上さんの家を出る時は、体が凍りつくように寒かったのに今は体中から湯気が出ている。アドレナリン全開ってわけか。
どうりで、少し水が飲みたくなってきた。前方を見ると枯れかけた小さな滝があった。
「ゴリさん、ここで水を補給してきます」
そう言って、滝の前に下りた。慌てて二人がついてくる。ここはどうやら昔の水飲み場だったらしい。小さな祠と、風化したお地蔵さんらしい石があった。
「バカ、止まれ」
僕が水が流れている所に向かおうとすると、ゴリから襟首をつかまれた。
「栗原、お前死にたいのか? こんな山奥に御丁寧に水飲み場が設けてあるのが不自然だろう。スコープをよく見ろ。地蔵の上の方にアラートメッセージが表示されてるだろうが」
「あ……」
ゴリのいうとおりだった。気を取られてしまっていたが、スコープの中に危険を知らせる黄色い文字のメッセージが表示されている。
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