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最近は、偉いさんの接待で居酒屋自体、足が遠のいてたから、ホッケなんてすごく新鮮だ。早速、箸をつけようと思ったら……、かなりコゲコゲになっているじゃありませんか。まるで、火炎放射器で焼いたみたいだ。
「オヤジさん、ホッケがこげてるぜ」
「ケンチャンこれは、焦げてるんじゃないよ。大人の味付けですよ」
大将は、カウンター越しに笑いながら言った。大人の味付けね。でも俗世間では発ガン物質といっていますが……まあいいか。焦げてる部分は、康市に食べさせよう。
昔から黒焼きは、アッチの方に効くっていうからな。無修正DVD見て消耗したエネルギーを補ってもらえれば幸いだ。康市は、そんな嫌味も分からないらしく、焦げたホッケをうまいと言いながらパクついている。
なるほど、自販機で頭割られて、血を噴水みたいに出しても死なないはずだよ。
僕は、ホッケに伸ばした箸を置いた。
「あれ? そういえば佐藤君は?」
「あっちだよ。ほれ」京介が、箸でカウンターを指差した。
カウンターに視線を移すと、佐藤が女の子と二人で何やら話をしていた。よく見るとアーケード入り口のたこ焼き屋の彼女だ。あららららっ? こりゃどういうことよ。
プレゼンの後に、サクサク&フルガッツで彼女にアタックしたのかあ。僕は立ち上がって、佐藤の後ろの所まで足を忍ばせた。そして後ろから目隠しをした。
「佐藤くぅ〜ん、ア・ナ・タ、もう。手が早いんだ・か・ら」佐藤は飲みかけのビールでむせた。
「手が早いなんて失敬な。僕達は結婚を前提にお付き合いをするんですよ」佐藤はむっとした表情を見せた。僕は慌てて、佐藤に耳打ちした。
「お前、結婚、結婚っていうけど、今日の朝メルアド渡しただけだろう。それに、そう、山城新伍風にいうと、いわゆるひとつのチョメチョメも完了してないわけだろう?」
「なんですか、チョメチョメって?」
「いやその、つまりなんだ。その……天地創造というか、日本神話というか」
「ああ、セックスですか」
直球を投げられて、僕はくわえていたつまようじを、歯茎に刺してしまった。
「声がでけえ。で、どうなのよ」
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