ITコンサルタント企業を運営する栗原賢一は、高卒&ギャング上がりの異色社長。
やり手のコンテンツプロデューサー「早見京介」、真面目だがメールやチャットでしか会話できない「ペコちゃん」そしてニート同然のエンジニアたちを、たばねながら会社を運営している。
莫大な富を手にして、さらに経済的な成長を続けるたびに、町の人たちは、卑屈なまでに賢一にこびへつらうようになったが、賢一は、苛立ちをあらわにせず、格差社会が進んでいく街を、どこか冷ややかに見つめながら毎日を送っていた。
そんなある日、賢一は、仕事の依頼を通じて中学時代の旧友「ター坊」と再会する。
なんの変わりのない順調な一日だったその夜。
「Mr・Color」と名乗る差出人から届いたメールで、賢一は、やがて予想もしなかった事態に巻き込まれていく。