いよいよレースが始まるようだ。観衆がザワつきだした。
今まで、ワゴンで車券を売っていた男が僕らの所までやって来ると、レースをする4人を自分の元へ呼び寄せた。
「オイ、お前ら。こっちに来い」
僕と泰蔵は、金髪野郎とエグ坊主を睨みつけたまま、彼の方へ向かう。
4人が集まると、さっきまで車券を売っていた男が話し出した。
「俺は、何かと仕切りをやっている、仕切り屋の龍二ってもんだ。で、このレースも俺が仕切らせてもらうが、いいか?」
金髪野郎とエグ坊主は、少し首をかしげる様なしぐさをした後、軽く頭を縦に振った。
「俺達も問題ない。ヨロシクな」
泰蔵は僕の意見も聞かずに仕切り屋の龍二に返答すると、金髪野郎に向かって話し出した。
「それで、お前ら。リレー方式でいいよな」
「ああ、いいぜ」 |
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