無料オンライン小説 COLOR 革命のノロシ



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幸せと不幸、裕福と貧困が、この町、いや、この国には渦巻いている。

今の時代は、どちらかというと不幸と貧困の方が多いだろうか。

今の僕に、何か出来るかな。

くだらない事を考えた後、タバコに火を点けた。

タバコの煙は、一瞬のうちに風に流され、夜空へと舞上がっていく。

まるで、革命の、ノロシを上げたように。

「少し冷えてきたな」

タバコを吸い終わると、部屋に戻り、ソファにーもたれた。そのうち、うとうととしてしまい、まどろみに落ちたが、目が覚めると7時を回っていた。

ヤバイ、2度寝してしまった。

慌てて、シャワーを浴び、服を着替えて地下の駐車場に降りた。

車に乗り込み、空いている道路をナビで探しながら、会社へ向かう。

駐車場に車を止め、富国電気の正面玄関入り口までたどり着くと、8時40分を回ったところだ。よかった。間に合った。あれ、なんか駐車場の様子がおかしくねえか?

よく見ると、マスコミのらしき人達が遠巻きにカメラで僕を狙っている。

さては、今日の事をどこかで嗅ぎつけたんだな。

バカにかまっている暇はない。急いでエレベーターに乗り込むと、商品管理室のフロアーへ上がった。

「おはようございます」

すれ違う人に手短に挨拶したが、相変わらずシカトだ。まあいい。

商品管理室のドアを開け、パーティション越しの緊急対策課へ向かって歩いた。

自分の席に座ると同時に、僕が来るのを待っていたかのように、秘書課の女性が現れた。

「栗原賢一さんですね?臨時取締役員会のご案内で参りました。宜しいでしょうか?」

「はい」

「では、ご案内致します」


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