あまりに暗く何も見えないので、ドア付近にある照明のスイッチらしき物を押すと、室内に明かりが灯った。
それと同時に京介が叫んだ。
「なんじゃこりゃ〜!!キモ……。げぇ〜〜俺、なんか吐きそうだよ」
そこには、コンピュータと水槽がセットになった物が無数に並べてあった。水槽の中には、人の臓器らしきものがある。
ヤスオは、その水槽に近づくとしばらく考え込み、僕に語りかけた。
「ケンちゃん、この臓器はみんな動いてるよ。これって、ホルマリン漬けじゃなく、この水槽の中で生きてるんだ」
「どういう事?」
「この、横に備え付けられているコンピュータから命令をもらって動いてるみたいだね。管は、他の臓器とリンクしてるみたいだ。でも、これでさっきの人達がお弁当をここに持ってきた理由が分かったよ」
「この、臓器たちに栄養をあたえるため?」
「ああ、たぶんそうだろうね。でも、何故こんなにたくさんの臓器を培養しなければいけないんだろう?」
二人の会話をおとなしく聞いていた京介が話しを割った。
「おい、お前ら。もう行かないか。俺は限界だ……。こういうのは苦手なんだ」
「ああ、そうだな。ヤスオ、ほれ行くぞ」
僕と京介は、あまりに気味が悪いので目をそむけながら通路を歩いた。
一方、ヤスオは興味があるのか水槽の方をマジマジと見ながら歩いている。
通路の先にまたドアがある。今度は鍵らしきものは見当たらない。 |
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