まるで迷路のような廊下を、彼女はただひたすら歩いていく。
しばらくすると、前方のT字路の右側から、中年の男性が合流してきた。
彼も、コンビニの袋を手に持っている。
目は、さっきの彼女同様に虚ろな感じだ。
僕らには見向きもしない。それから、しばらく歩くと数人の人達が合流してきた。
いずれも、レジ袋を手に持ち、目は虚ろな感じだ。
でも、なんらかの意思で集まり、どこか目的地に向かって歩いているようだ。
京介が、僕の横で呟いた。
「賢一、これヤバクねぇ〜。もう、気味悪くてしょうがないよ。か、帰らないか…」
「帰るったって、帰り道が分からないだろう。それより、ヤスオ。彼らはどこに行こうとしてるんだ?」
「分からない。ただ、今一つだけ言えるのは、この廊下は最高の防衛システムだよ」 |
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