高速をしばらく走ると羽田空港へ降りる標識が目に入った。
早朝なのに、それなりに車が多い。
日本一のターミナル空港だけはある。これから日本中に飛んでいく人たちなのだろう。
僕たちも、流れに従って、下の道に下りた。それから十分程度走ると、ターミナルが見えてきた。
「駐車場、空いてるとこ入れるぞ。ターミナルから少し離れるけどかまわないだろ?」
「ああ」
車を駐車場に止めると、ターミナルに向かって歩いた。ヤスオから聞いていた第一ターミナルは相当距離があった。
ようやくたどり着くと、ヤスオは僕らより先に来ていた。
僕らが、ヤスオの方に歩いていくと彼も気付いたようだ。ヤスオが走り寄ってきた。
「ケンちゃん、おはよう」
「うん。て、いうか、昨日から寝てないから、まだ気分的には真夜中だけど…」
「そ、そうなんだ。こっちも、あれから何かと大変だったんだ」
「また、何かあったの?」
「いや、そういう訳じゃないんだけど……。クレームがガンガン入ってきて、対応していたからね。目が回りそうだった」 |
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