無料オンライン小説 COLOR 屁のツッパリはいらんですよ



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突然の再登場

自宅に戻って、部屋の暖房を入れると、ジャージに着替えた。ほっとする瞬間だ。

また冬がやってきた。窓を見ると、まだ6時を回ったくらいなのに、もう真っ暗だ。

ITコンサルティングを立ち上げてから、時間の流れが速くなった。去年の今頃、何をやっていたのか、思い出せなくなっている。世間もそれに連れて、あわただしく流れていくようだ。

テレビをつけると、昼間起きたまた残虐な殺人事件のことを繰り返し報道していた。メディアは犯人探しに躍起になっているが、本当は数字を稼ぎたいのが見え見えだ。

人が殺されたことを社会問題として提起するわけでもない。人の不幸をエンターテイメントにするのに理由をつけているだけだ。見ていて気分が悪くなる。

くだらないので、テレビを消してパソコンを立ち上げた。2ちゃんねるに繋いでみると、ここも同じだった。みんなで探偵ごっこしているようだ。

「あいつが犯人だ」「いや、こいつだ」なんて書き込みの中に誹謗中傷の文字がやたら目立つ。中には、具体的な名前まである。

どうでもいいけど、くだらない探偵ごっこは、ここいらでやめた方がいいよ。

メディアも含めて、日本国民は人の不幸を、エンターテイメントの1つと考えてやがる。

人の不幸に乗じて、誹謗中傷をタレ流す、お前らも犯罪者なんだよ。

イッチョ前に偉そうな講釈タレてるくせに、イザ自分に問題が振りかかって来ても何1つ責任を取ろうとしない。

まったく、どうしょうもねぇ〜な〜。

少し、気分が滅入ったのでパソコンの電源を落として、ソファーにもたれた。部屋の中が静かになると、いつのまにか昼間のことを考えていた。


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