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「京介、どう? 何か進展があった?」

「いや、ラボの方だけじゃなくて、佐藤と康市も解析を手伝ってるみたいだけど、何も見つからないみたいだ。こりゃ手も足もでないな」

僕と京介が電話を切ると、ヤスオが話し出した。

「とりあえず、今から山下公園でも行ってみようか?それから中華街に行って飯でも食べながら考えようよ」

「そうだな…慌てて出てきたけど、打つ手がないんじゃ仕方がない」

「すちゃらかやってても会社は動くの。天下の富国電気は優秀な人材がそろってる。どうせ動かなきゃいけないときは、めちゃめちゃ働かされるんだから、それに備えておこうぜ」

僕がそう言うと、二人とも、表情が明るくなった。

しばらく無言で歩いていると山下公園が見えてきた。

「OH〜あれがそうなのか?」

京介が驚いた声をあげた。いかにも観光客みたいでコッパズカシイ。

「ああ、そうだよ。公園は公園だけど、船着場だった役目はすっかり終えちゃってるからね。今はただの観光名所だよ。ほら、あれが赤い靴の女の子の像」

「赤い靴?」

「そう、ほら童謡のやつだよ」

「へぇ〜そういえば、東京の麻布にも同じ像があったな。あそこからここまで連れてこられたってことか」

京介が、さも納得した声を出した。

「あとで一回りした時に、見てみよう。じゃあ、公園の中に入ってみようか」

山下公園の中に入り、前を見ると真正面に噴水があった。噴水の中央には大きな石像が建っている。

「あそこに見えるのが、水の守護神っていうやつだよ。昔、横浜市とアメリカのカリフォルニア州のサンディエゴ市が姉妹都市になった時、送られて来たものなんだ」


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