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「あやうく敵に俺たちの位置を知らせるところだったじゃないか。水が飲みたいなら、上のセンサーを外してこい」

「外せって言われても、どうしたらいいんですか?」

「横の崖を登って、周り込んで木の上に設置してある赤外線センサーの電源をオフにするだけだ。センサーは、水飲み場辺りだけしか感知出来ないはずだからな。ただ、奥の方にまだトラップがしかけられているかもしらんぞ」

「う〜ん。でも、水が飲みたいんで、行って来ます」

僕は、水飲み場の横の崖をよじ登った。そして言われた通り、地蔵の裏手の方からセンサーを探した。以外に森の中から木の上を見上げると暗い。センサーらしき物は見当たらなかった。

ここはスコープの探知能力に頼るしかなさそうだ。スコープが周囲の暗さに合わせて画像の明るさを調整してくれるらしい。

真っ暗だった視界が急に明るくなって、木の葉一枚一枚がはっきり見えるようになった。しばらく見回していると、英語でセンサーという表示が現れた。

表示が出ている木の下まで移動して上を見上げると、何かガラスのようなものが光っているように見えた。ビンゴ! どうやらこれらしい。

だが、かなり上の方にあるので、僕じゃ取り外せそうもない。諦めて帰ろうとすると、康市があっという間に、俺が通った後を移動して俺の隣までやってきた。

「バカ、無茶するなよ。他にもセンサーがあるかもしれないんだぞ」

「大丈夫っすよ。それよりも、この木の上ですか?俺が登ってセンサーを外してきます」

止める間もなかった。あっという間に、康市は木を登り始め、センサーに近づいていく。

しかし、器用な男だね。僕は小学校の時、グランドにあった登り棒すら登れなかった。

きっと彼の前世は、お猿さんなんだろうね。ひょっとすると、ゴリとは前世で家族だったのカモ。


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