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「ヘリが?」

「ええ、よくニュースとかで出てくるじゃないですか。自衛隊とかが、100人くらい人を乗せて飛ばすみたいなヤツ」

「そのヘリは箱型で、プロペラが、二つついてたか?」

ゴリが口をはさんだ。

「ええ、かなり上空を飛んでるんで、正確な大きさはわからないけど、たしかに箱型でプロペラが二つついてました」

ゴリから話を振られて、康市はビビッていたが、尋ねられるままに答えた。

「ひょっとすると、陸自のCH−47か?それで物資を輸送させてるんだろうが……。まさか藤田ってジジイ、生活物資と一緒に、どこかの駐屯地から、陸自野戦特科のレンジャー部隊を運んで自宅を警護させてるんじゃないだろうな」

「ゴリさん、何ぶつぶつ言ってるんですか?」

「栗原、これを渡しておく」

「何すか、これ?」

「GPSだ。これは人工衛星で位置を捕捉するから、森の中でも自分の正確な位置が分かる。命綱になるかもしれんから、手放すんじゃないぞ。それから君は……康市君だったかな? 俺は栗原の上司で河島栄太だ、宜しくな」

「さっきはすいませんでした」

既に戦闘モードバリバリのゴリを見て、康市は引きっぱなしだった。

「悪いが、君の装備品は用意してないんだ。予定外だったしな。とりあえず栗原と一緒に行動してくれ。じゃあ、予定のポイントまで5時に現着しなきゃいけないから、少し急ぐぞ」

僕たちは、ゴリに続いた。同じ職場に勤務してデスクワークばかりやっていたのに、ゴリは異様なくらい歩くのが早い。僕らはピッチをあげて歩いた。それでも追いつかない。すぐに息があがった。


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