ガタガタぐちっててもしょうがない。ポジティブでいかなきゃね。
「そうだな。お前の言うとおりだ。おい、康市、ユニックって何人乗れるんだっけ?」
「そうですね。前は運転手入れてギリで3人ですかね〜。後ろジェネ積んだら乗るとこないんで、ジェネの上にしがみついているしかないですね」
「それじゃ、お前は運転してくれ。俺と京介は後ろに乗る。道が封鎖されている時は、そのつど車から降りて歩いて抜け道探すよ。それはそうと、ちょっと実家に電話してみたら?」
僕の問いかけに康市はうなずくと、携帯を取り出した。
「あ、つながりました。大丈夫、うん。」
彼はしばらく話した後、僕らに状況を説明しだした。
「なんか、ウチのオヤジが今からユニックにジェネを積んで来てくれるらしいです。もう少し向こう側の木村屋っていう旅館の駐車場で、待っていて下さいっていってました」
「そうか、でもジェネをユニックのクレーンに引っ掛けて積み込むのって一人じゃ出来ないだろう?」
「免許の問題もありますからね。ほんとは、一人でやっちゃいけないんですけど……。まあ、非常事態だしキャリアもあるし、なんかオフクロも手伝ってくれるみたいなんで大丈夫だと思います」
「そうか、オフクロさんも手伝ってくれのか。それじゃ、安心だな」
「ええ、ウチのオヤジは修行した後、オフクロと二人で今の会社起こしたんですよ。オフクロも結構現場とか出てるんで大丈夫だと思います」
三人で話しながら歩いているとずいぶん山の方まで歩いてきていた。緩やかな上り坂ばかりになった。さっきまで気づかなかったが、僕の横の街頭が時々点いたり消えたりしている。坂の途中で街を見下ろすと、そこには不思議な光景が広がっていた。
「お前ら、ちょっと見てみろよ。街の明かりがなんかブロックごとにチカチカしてんぞ。ほら、今度は古町通りが点いて新宮町の明かりが消えた。なんだこりゃ〜」
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